リンパ浮腫外来について

リンパ浮腫外来

令和元年5月、医療法人札幌山の上病院に新たに形成外科が開設されました。
それに伴い、形成外科の専門技術を活かしたマイクロサージャリー(微小外科手術)によって、手足のむくみの改善を目指す【リンパ浮腫外来】を開始しました。
手足のむくみに悩む患者様に最適な治療方針を提案し、患者様の目線に立った治療を心がけてまいります。また、当院の他科医師との協力のみならず、周辺病院との連携を大切にします。
リンパ浮腫の治療は患者様自身の協力無しには行えません。
最も良い治療を一緒に考えて行きましょう。

リンパの流れ

通常のリンパ液は血液の成分として存在し、タンパク質を多く含み、血管壁の隙間から染み出すことができます。
細い血管の壁から染み出したリンパ液は、組織内の細胞をうるおし、その後静脈とリンパ管に再吸収されることで血液内にもどります。

リンパ浮腫とは?

体内のリンパ液の流れる管であるリンパ管や、その中継であるリンパ節に物理的もしくは機能的な問題が起こることでリンパ液の流れがさまたげられることがあります。行き場をなくしたリンパ液がリンパ管から漏れ出し、組織の隙間に貯ってしまう事で主に手足のむくみ(浮腫)、リンパ管の炎症、皮膚の硬化等がおきる病気です。

リンパ浮腫の治療

1)さまざまな浮腫と診断

健康な人でも浮腫は起こります。病的な浮腫は全身性と局所性の浮腫に分けられます。
リンパ浮腫は局所性の浮腫のひとつと考えられており、検査によりリンパ浮腫以外の浮腫を除外することが必要です。

2)リンパ浮腫の原因

先天性のものから悪性腫瘍、悪性腫瘍の転移・手術(リンパ節郭清等)の後に起きるもの、けがや寄生虫(フェラリア)、等が原因となることもあります。原因の除去が治療の第一歩となります。

3)予防と治療(保存的?外科的?)

  • リンパ浮腫の予防はリンパ液が貯まらないようにすることから始まります。弾性ストッキング・弾性包帯等を用いた圧迫が基本となります。
  • 運動療法を含むリハビリテーションにより積極的なむくみの軽減(リンパドレナージ)を図ります。弾性ストッキングと合わせて複合的理学療法を行います。
  • リンパ管静脈吻合術はリンパ管の走行を確かめることから始まります。リンパ管を顕微鏡下に静脈とつなぐことで、貯まったリンパ液を問題のある範囲から迂回させて血液に戻すことが可能です。これにより浮腫の軽快が期待出来ます。